【永遠の絆】60

12歳のシンシアは
何ヶ月も前から父親との
デートを楽しみにしていた。

その日のために
綿密な計画を立てていた。

父の講演が終わったら
誰かに捕まるまえにすぐに
会場を抜け出す。

映画を見て
チャイナタウンで美味しいものを食べて
タクシーでホテルに戻り
夜はプールで泳いで
ホイップたっぷりのデザートを食べながら
深夜テレビを堪能する。

計画はばっちりだ。

そして当日。

父と会場を抜け出そうとすると
通路でばったりと父の友人と出くわした。
数年ぶりに会うようだった。

友人は話しかけた。
「会えるなんて嬉しいよ。
僕はすごく君のことをかっている。
どうだい?今度の新しいプロジェクトに
ぜひ君に加わってほしいんだ。
そうだ、近くにとびきり美味しい
シーフードの店があるから一緒にいかないか?
もちろん娘さんも一緒に。」

父は答えた

「シーフードか!それは最高だね!」

シンシアはがっかりした。
これで何ヶ月も前から
楽しみにしていた計画がパーだ。

シーフードは好きじゃないし
大人たちのビジネスの話を横で
聞くなんでうんざりだ。

そう思っていたとき父は付け加えた。

「だけどごめんね。
これから娘と特別なデートなんだ。」

そう言ってシンシアにウインクをして
手を引いてすぐにその場を立ち去った。

その日はシンシアにとって
忘れられない一日となった。

「あのときの出来事が
私と父の一生切れない絆を作りました。」
大人になったシンシアは話す。


ちなみに、その父親の名前は
『7つの習慣』の著者
スティーブン・R・コヴィー

素敵な話だ。

瞬間の選択が
人生で何を大事にしているかを物語る。

僕はそれを曖昧にしてしまい
「シーフードに行こう!」
と何度選択したことか。

僕も父親になったときは
彼のような選択をしよう。
僕の両親のように。

僕の人生の最優先にしていること。
それに向かい行動をする一年にする。

あなたの人生で
最優先にしていることはなんですか?