【助けて】106

苦しいとき、辛いときほど
人は自分の殻に閉じこもってしまう。

僕もそうだった。
何年も何年も、苦しみを抱えていた。

誰にも頼ることが出来ない。

頼る人がいないんじゃない。
自分で閉ざしてしまっていたんだ。

知っている。
僕に手を差し伸べようと
してくれた人がいたことを。

知っている。
僕が手を伸ばせば
掴んでくれる人がいたことを。

それでも僕は心を開けず
その手を頼めなかった。

でも、もう限界だった。

そんなときに
出会いが訪れた。

僕はその子に言葉を絞り出した。

「助けて」

ボロボロになって
涙を流して、震える僕を
そのまま受け止めてくれた。

苦しみが氷解していった。


あなたが本当に
辛いとき、苦しいときは
助けを求めていいんだよ。


あなたの声を聞いている人がいる。

あなたの手を掴んでくれる人がいる。

あなたの求めを待っている人がいる。

あたなたを助けたくても
求めてくれないと
手を差し伸べられない。

声に出して。

求めて。

大丈夫。

あなたの苦しみには
人を救う力がある。