【教科書批判】148

高校のころから世界史が大好きだった。教科書はボロボロになるまで読み込んだ。そして進んだ大学の歴史学科。2年生の基礎演習で本格的に専門の勉強が始まるとき、先生に高校で使っていた教科書を持ってくるように言われた。そして授業で衝撃的なことを言われた。「その教科書を批判しなさい」
どうやって?

確かに文化史とかは
音楽も建築も絵画も
美しさは語られず
作者と作品名だけ覚えこんだけど。

そういうことかな?

教授はこう教えてくれた。

大学の図書館には
数千冊の歴史の本がある。
それらには、
作者が書いてある。

ところが教科書には、
作者が書かれていない。

開くと
実は後ろのほうには
編集者とか監修として
名前が書いてある。

全ての本には、作者がいる。

本に書かれていることは
書いた人の意図が含まれている。

名前のない教科書は
まるでそれが
全ての真実であるかのように
思えてしまう。

この世には
正しいことがあるのではなく

その人が正しいと
思っていることが
あるのだと思う。

それは
自分自身にも当てはまる。

この視点は
今でも大切にしている。

誰の考えか?
それを常に心において
物事を観ていこう。