【パイナップル】149

はるか地平線まで真っ直ぐに伸びたハイウェイを、ひたすら走っていた。前方の地平線から道が生まれてきては、バックミラーに映る地平線に消えていく。左右には、小さなブッシュとかなたの山並み。赤茶けた大地の上と、燦々と降り注ぐ太陽の下、車は進んでいく。

広大な南の大地、オーストラリア。

ブリスベンから
フレーザーアイランドへ
つながるハイウェイは、
見たことのない景色だった。

何時間も車を走らせていると
何もない道に突然、
店が姿を現した。

人が食べきれる範囲を
ゆうにこえた
山盛りの果実たち。

車を止め近づくと

店の棚を全部占領して
うず高く積まれた
パイナップルに目を奪われた。

これを食べたい!
指をさして求める。

店のおばちゃんは
白い歯を見せながら
ついてきな!
と店の裏へ案内した。

丸太で作られた椅子とテーブル。

その横に
初めて見た
ズラッーとまだ生えてる
パイナップル


おばちゃんは、
パイナップルを一つ掴むと
持ってたナタでザクっと外した。

木のテーブルの上にデン!
と置く。

そのままナタで
真っ二つにした。

ズン!ズン!

中から黄金の果実が輝きを放ち
汁が音をたてて溢れ出す。


食べな。


そのまま頬張る。

!!!!!!!!

これは!太陽だ!!!

太陽が宿っている!!

熱が果肉となって
光が汁となって

口の中に広がった。

あの時の感動は忘れられない。

13歳のときの
オーストラリアの
あのパイナップルが
人生で食べたものの中で
一番美味しかった。


チャレンジ25日目。
30日あるから、
一日くらい遊んでみたよ。

言葉だけで
美味しさをどこまで
表現できるのか?

食べたくなったかな?