【これは私の問題だ】167

この前カフェで注文をしたら、店員さんが間違えた料理を持ってきた。僕は、これ頼んだのと違うよー。と伝えて、運び直してもらった。そのとき、自分の心の反応が、ある言葉を聞く前と違っているのに氣づいたんだ。

前だったら、
「もー、ちゃんと仕事してよ!」
って思ってたと思う。

この時は、最近聞いている
鴨頭嘉人さんの言葉が響いた。
「これは私の問題だ!」

起こってる出来事を
自分の問題、自分の責任ととらえる。

店員さんが間違えたことは
僕のミスだ。
僕はこれを防ぐとこが
出来なかったろうか。

そういえば店員さんは
僕が言った注文を、聞き直してた。

注文の取り方自体
慣れてない感が出てた。

今日初日だったのかもしれない。

そのことに氣づいてあげれば、
その人のことをもっと見てあげれば

もっとゆっくり、ハッキリ
注文を繰り返してあげられた
んじゃないか。

そうしたら間違わずに
済んだんじゃないか。

この人が自信を失わずに、
どうしたら、接客の楽しさを
味わいながら仕事が出来るだろうか?
僕には何が出来ただろう?

そんな想いが浮かんできた。

それは
「これは私の問題だ」
という考え方を知ったからだ。

知らないまま
「ちゃんとしてよ!」
と思うよりも

今の感情のほうが愛おしい。

この在り方によって
自分の思考、行動の範囲が
広がったんだ。

【どんな意味】166

出来事が持つ意味を考えるよりも大切なことがある。この前こんな相談を受けた。
「面接に行こうとしたら、履歴書を忘れちゃったの。これってどんな意味があるのかな?その会社には行かないほうがいいってことかな?」
僕は答えた。
「意味なんかないよ。
大切なのは意味を探すことではなく、
その瞬間あなたが思った感情だよ。

『行かないほうがいいのかな?』
って思った、その瞬間の感情。

その会社には、自分の中で
ちょっとひっかかるとこが
あったんでしょ?

もしどうしても行きたいと
思っていたなら
その瞬間
『この障害を乗り越えろってことだな』
という意味にとらえたはず。

でも忘れた事に氣付いた瞬間
『行かないほうがいい?』
って出てきた。
その感情を大切にして」

意味などは後付けでどうとも出来る。

「その瞬間、どう感じたのか?」

その感情を大切にしていこう。

【免許講習】165

先日免許証の更新で免許講習を受けてきた。免許講習というのは、教室にいればよくて、終わったらハンコをもらって終わり。聞く方も、話す方も、形式だけ。そんな思いで僕はいた。その日の講師は、神田運転免許センターの白石さんという方だった。

定年間近のその警察官のお話に、
僕は胸が熱くなった。

「交通事故がいかに悲惨なものか」
「この世から交通事故を無くしたい」

その切なる想いが詰まっていた。

こんな志を持った人が警察官がいるなら
日本は安泰だ。
そう思えるほど、
白石さんの講習に感動した。

免許講習は話す内容が決まってる。
きっと何度も同じ話をしているんだろう。

聞きたくて来る人なんてほぼいない。
だんだんやる氣もなくなって
マンネリ化していってもおかしくない。

そんな中で、素晴らしい免許講習だった。

決まった内容、毎日の同じことでも
魂を込めることで
大切なことを伝えられるんだ。

【旅をする食事】164

僕は食事をするときに、旅をすることがある。食べ物がここまで来た旅の道のりを一緒に堪能するんだ。これは衛藤信之先生から教わった。

日本で育ったの?
それともはるか大陸の果てから
やってきたの?
機械化された巨大なプランターの中で
育ったの?
それとも日本の農家で
丹精込めて作られたの?
作った人は覚えてる?

どんな想いで作られて、加工され
商品化され、ここに来たんだろう?

それを想像しながら食事をすると
食べ物の向こう側が見えてくる。

歴史の旅をすることもある。

例えばホットドッグ食べながら思う。

ソーセージは移住者によって
ドイツからアメリカへ海を渡り

ケチャップの原料であるトマトは
500年前にアメリカ大陸から
ヨーロッパに渡ってきた。

海を反対側から渡った二つの食材が、
古代メソポタミアで原型が生まれ
エジプトで改良された
パンに挟まれて
日本へと伝わって来た。

ただのホットドッグに
なんてロマンチックなドラマが
あるのだろう。


耳を傾ければ、
命が今までのストーリーを
イメージさせてくれる。

その場にいながらでも
たった一度の食事で
歴史を、世界を、
旅することが出来るんだ。