212【松の葉】

百貨店で働いていたとき、お客様からお熨斗(のし)を頼まれることがあった。
「寿」「○○祝い」「志」。
いろんな種類がある中で「松の葉」というお熨斗の存在を知った。
ほんのちょっとのお礼のを送りたいときに使う。
松の葉にも隠れるくらいのほんのちょっと。という意味だそうだ。
 
あの細長い松の葉に隠れるって
ほとんどないようなもの。
 
その、ほんのちょっと。
を「松の葉」と表現する
美しさに惹かれた。
 
そして同時に
送る側の
受け取る側に負担をかけさせない
優しさを感じた。
 
 
言葉の美しさと
その言葉を生み出した背景の
温かさ。
 
こういった美しい言葉と心を
これからも大切にしていこう。