243【笑いがひらく】

バックパッカーしてたとき、インドの圧は衝撃続きだった。やっと慣れて1週間くらい旅してたときだったか、カジュラーホという街についた。案の定、バスを降りた途端、男の人たちに囲まれた。
「今日の宿は決まってるか?
うちの宿は安いぞ!うちに泊まりなよ!」
「いや、うちの宿は部屋にシャワーがあるぜ。
うちに泊まりなよ!」
「いや、うちは広くていいぞ!」 こいう人たちのところには行かず、
宿は自分で探したほうがいい。

それをわかってきてたので

ノーセンキューと言いながら
通り過ぎる。

まあ、もちろん
すんなり通してはくれない。
あの手この手で足を止め、
営業をかけてくる。

そんな中一人の男が 「このペンをあげるよ!」
とペンを差し出してくれた。

くれ!と言われることはあっても
あげると言われたことはない。 「え?なんで?」 と聞くと 「インドでは友達に
ペンを送る習慣があるんだ。

だから僕たちはこれで友達。

な、うちの宿に泊まりなよ。」 新しい・・・ が、

僕はペンを突き返し
「ノーセンキュー」
と拒んだ。

するとその瞬間
男は流暢な日本語で
一言 「なんでやねん!」 これには思わず笑ってしまった。

タイミング最高!

まいったまいった。
OK!
あなたのところに泊まるよ。

拒否してるところでも
笑いがあるとね
扉はひらくんだよね。