249【扉を閉める】

あの人に、大切なことを伝えたい。そう思ってたのに、いざ会うと、違う話ばかり。「じゃあまたね。」今日も言えなかった。よし、次そこは!と思い直すんだけど、また勇氣が出ない。「じゃあ、またね。」あぁ、また言えなかった。
そうやって、伝えたいのに、伝えられない。
それを繰り返してた。

でもあるとき、決めた。

言おう。

僕の想いを、伝えるんだ。

決めたんだ。

でもね、人は弱いもの。

今までと同じパターンに
なっちゃう可能性がある。

そうならないように
しないといけない。

まず
うまく言えなくても
伝えられるように
想いを手紙を書いた。

そして、もう一つ
布石を打った。

その日は会ってから
いつもどおり
話して、散歩して、
買い物したりして
最後にご飯食べてた。

ご飯食べ終わった頃
その人は聞いてきた。 「ねえ、
プレゼントってなに?」 聞かれてしまった。

そう、僕の打った布石は
この質問を受けるための一言だった。

会ったときに、最初に
「今日はプレゼントがあるんだ」
って言っておいたんだ。

そうすることで、
「じゃあまたね」する前に聞かれる。

自分で言い出せないから
言い出すきっかけを強制的に作った。

言えないで帰る。
という選択肢の
扉を閉めたんだ。 「実は、プレゼントというのはね、
僕の想いなんだ」

そうして、手紙を読んだ。

どうしても勇氣がでない。

そんなとき、
やらざるを得ない状況を作るんだ。

閉ざした扉に阻まれた流れは
あなたを押す力になってくれる。