252【私は強いから】

高校のころ、尊敬している同級生がいた。その子と、初めて長く話をした日があった。何か悩みを聞いていたような氣がする。どんな話だったかは覚えていない。ただ、会話の途中で、その子が言った言葉は覚えている。
「私は強いから」

衝撃だった。

そんなセリフを言える人が
目の前にいるなんて。

だって、
私は弱かったんだもの。

弱くて
人と比べて
作った自分を見せて。
そんな思春期。

今ふと
あのセリフを思い出して、
思う。

あのときの
あの子のように、
言えるだろうか。
私が一人でいるとき
あの子のように
私は強くない。
きっと言えない。
私がつながっているとき 「私」の中に
「私」のつながりも含めたとき
言えるようになる。
あの当時はわからなかったが
今の私は
そのつながりの存在を知っている。

だから、今は言える。

私は強い。