257【同じこと言ったのに】

たった数行の中に、深く心情を表す文章を込めることができる。「日本一短い母への手紙」という本の中に、何年たっても忘れられない作品があった。娘をもつ母親が、昔自分の母親に言った言葉について書いた手紙だ。
「『私母親似でブス』娘が笑っていうの。私同じこと泣いて言ったのに。ごめんね、お母さん」
このときのごめんね。って、
どんな氣持ちだったろう。
同じこと言ったのに。
どうしてわたしは
ああやって捉えたんだろう。
どうしてわたしは
こうやって捉えられなかったんだろう。
同じこと言ったのに。
どうしてわたしは
受け入れてあげなかったんだろう。
どうしてわたしを
受け入れてくれるんだろう。
想像したときに
いろんな感情が込み上げてくる。
ごめんね
この短い言葉の中に込められた
想い。
こんなにも、
違った受け取り方が出来る。
それに、氣づかせられるんだ。