291【ポイッ】

服を脱いだら、ポイッ!洗濯物は、勢いよく洗濯かごに投げ入れてた。シュパンと入れば氣持ちよかった。そんなポイポイ投げ入れてたある日、ふと思った。この洗濯物って、汚れたのは、私が着たからなんだよな。私の身体の盾となって、汚れてくれたんだ。それをポイッって投げ入れるのはどうなんだろう?それからというもの洗濯物は洗濯かごまで行って、上から優しくふわっと置くようにした。ありがとう、と心でつぶやいて。

それが習慣になったころ

ゴミについても

同じことを思った。

ゴミこそ

ゴミ箱に向かって投げて

スポッと入るとゴール!

そんな捨て方してた。

待てよ。と思う。

このゴミも、

さっきまではゴミじゃなかったよな。

鼻をかんだからゴミになったけど、

さっきまでは

きれいなティッシュだった。

破ったからゴミになったけど、

さっきまでこの包装紙が

商品を守ってくれてた。

私のせいでゴミになったのに

さらに投げ入れるのは

どうなんだろう。

ゴミ箱の上まで持っていって

ありがとう。

心でつぶやいてから

ふわっとゴミ箱にいれるようになった。

当たり前になってて

氣づかなかった。

私が汚し、私がゴミにした。

私を守るために、便利に生きるために

役割を果たしてくれた。

そんなものたちは

当たり前の「ポイッ」から

ありがとうの「ふわっ」へ

まわりの物に

感謝を込めて。

#フォーチュンギフト