バックパッカーでヴェトナムを放浪していたとき、ホイアンという街で、チケットトラブルに見舞われた。そのとき、対応してくれた観光窓口にいた青年と、仲良くなった。彼は翌日仕事のない時間に、ホイアンの街を案内してくれた。現地の人しか行かないお店でご飯を食べたり、ビーチにある高級ホテルの部屋を訪れてお金持ち体験して遊んだり。プラベートプールで僕の帽子をかぶってデジカメで撮った写真を、写真屋で現像して喜んでいた。仕事のあとに、また合流して一緒にビールを飲んだ。
彼はうちに招待してくれた。
彼のバイクの後ろに乗って
片道30分くらい。
バイクの後ろに乗りながら、
一緒に歌を歌おうとなった。
お互いの国の曲などわからない。
どの曲なら知ってるかな。
そして行き着いたのがビートルズ。
二人とも歌詞はよくわからない。
「イエスタデイー、フンフンフンフー♪」
「レットイットビー、レトビー、トレビー、レトビー、フンフンフンフー、レトビー♪」
みたいなね。
僕という日本の青年と、
彼というヴェトナムの青年。
同じ曲でつながれたことに
感動を覚えた。
翌日、僕がダナンの街に行く時、
1時間以上かけてバイクで送ってくれた。
ガソリン代はいらないと言ってくれた。
僕は日本からかぶってきた
帽子をプレゼントした。
彼の夢は、
タイに行くことだと言っていた。
日本からタイに行くのは、
行こうと思えば行ける。
僕もその旅のあと行った。
でも彼にとっては
お金を貯めて
いつか、タイに旅行に行く。
それは現実の延長にはないこと
だったんだ。
一ヶ月の給料が、日本円で3000円だった。
グエンと言ったかな。
底抜けにいい人だった。
まだSNSやメールアドレスを
みんなが持ってない時代
連絡先はわからない。
元氣でやっていることを、
夢が叶っていることを願う。
彼と歌ったビートルズが
今でも耳に残っている。
#フォーチュンギフト