304【痕跡】

『果てしない物語』の中に、特別な山が出てきた。その山は誰かが登頂に成功すると、その後は誰も登頂出来なくなる。そして、登頂されたという記憶は忘れられ、記録も失われ、足跡や楔の跡も全て風化して消えた時、初めて登頂可能になるんだ。だから、その山を登った者は誰でも初登頂の称号を得る。

人も亡くなって100年もすれば

ほとんどの記憶からは消えてしまう。

歴史に何千年も

名を残すことがあっても

やがてはその記録も

永遠の時の先には

消えていくだろう。

自分の生きた痕跡は

やがて全ては消えていく。

だけど、

ただ一つ残るものがある。

それは

生きたという事実。

事実だけは

未来永劫

消えることはない。

#フォーチュンギフト