344【地下室】

高校のとき、友達とよく家の前で集まって遊んでいた。あるときお酒飲んで騒いでたら、うるさかったんだろう。通報されたようで、警察が来た。友達は逃げおおせたが僕だけ捕まった。家の前で捕まったもんだから、親を呼べ。と言われて、仕方なく寝室で寝ていた父を起こして出てきてもらった。警察もめんどくさかったのか、父が出てくると、「あ、どうも、お父さん。あとお願いしますね。」とさっさと行っちゃった。

僕はさすがに怒られるかなー、と思っていたら

父から思わぬ一言。

「崇史、今度からは地下室を使いなさい」

その日から、

家の地下室が僕らの溜まり場になった。

お父さんの工具や実験道具が

ひしめく地下室は

どんだけ騒いでも音がもれない。

週末の夜は崇史家地下集合。

それを合言葉に

金曜の夜に集まって

土曜の朝6時まで遊んで帰る。

土曜の夜また集まって

日曜の朝6時に帰る。

仲間と深い時間を過ごした。

恋愛のこと、友情のこと、

人生のこと、哲学のこと、

なんでも語り合った。

ビデオ撮影したり

お笑い作ったり

ボードゲームしたり

鍋やったり。

青春の溜まり場。

思春期に、

こういう場所があったことは

よかったなー。

#フォーチュンギフト