
カンボジアのアンコールワットを旅していた時のこと。僕はバイタクの後ろに乗って、遺跡に向かってた。道の途中、バイクの調子がおかしくなった。どうも故障したようだ。運転手の兄ちゃんは、最寄りの修理所までバイクを持っていくことにした。僕はその間、道端で1時間ほど待つことになった。
近くにはほったて小屋みたいな家があった。裸同然の男の子2人が遊んでいた。1人の老人がボロをまとって座っていいた。
僕も座り、老人と同じ方向を眺めていた。
目の前の道を
外国人観光客を満杯にのせた大型バスが
次から次へと通っていく。
この老人は
彼らが向かう先の遺跡に
行ったことはあるのだろうか?
毎日これだけの観光客が流れていくのを
どう思って見てるんだろう?
老人と旅人はただ黙って
バスを眺めていた。
何十台も通り過ぎる違う世界。
バスの中にいたら
気づくことのない景色。
視点が変わると
こんなにも世界が違って見えるんだ。
#フォーチュンギフト