374【海の轍】

轍-わだち-とは車輪が通った輪の跡。ローマの街道、シルクロード。人、商品、文化、技術、たくさんのものが通った道は轍が残る。道は陸だけではない。人は海を越えて進んできた。島と島を、大陸と大陸を、交易、交流、繋いできた。ただ、海には轍が残らない。

歴史の中で、どれだけの往来があっても、

海での道は波と消える。

 

人の道も同じだと思う。

何度通っても何度乗り越えても

進んだはずの道には何も残らないこととある。

 

でも、

見える実績や

残る結果だけが全てじゃない。

 

自分の通ってきた海の先で

人と出会い、学びを分かち合い

想いを紡いできた。

 

 

長い歴史の中で

数限りない船が海を渡った。

轍はないかもしれないけれど

確かに世界は

越えてきたもので作られたんだ。

 

見えないから何もないんじゃない。

自分の越えてきた海の先に

轍は残っているんだ。

 

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