377【墓まで持ってく】

人生で苦しくて、情けなくて、恥ずかしい話。こんな話は死ぬまで絶対に人に言えないと思ってた。何年も何年も、そう思ってた。どんなに心を開いた講演しようと、これだけは言うことはない、と。

蓋をして蓋をして見ないようにしてた。でもだから、いつまでもなくならなくて、苦しかった。

 

それを感じて、引き受けてくれる人が現れた。

人生で初めて、他人に話した。

その人は、ありのままを受け入れてくれた。

「大丈夫。大丈夫」

それから、誰かに言える機会が増えていった。

様々な言葉が返ってきた。

 

「私はそれが専門なの。具体的に解決に向かって今できることを整理していきましょう。」

と力を貸してくれる人もいた。

またある人は、

「それって、あなたが思うほど追い詰めることじゃなくて、けっこうよくあることだよ。」

とも言われた。

「逆に、わたしはそれがないことでつらいと思うときがある」

という人さえあった。

 

「あなたもそんなに苦しんでたのを知れてよかった。」とも。

 

自分の価値観で絶対悪と思い込んでた苦しみは

多くの人の視線を通して

和らいで行った。

 

 

吐いて、よかったんだ。

 

自分だけで抱えてなくよかったんだ。

 

 

そして、

最初に打ち明けた子はこう言ってくれた。

「打ち明けてくれたことで、私があなたの役に立てて、私が救われるんだよ。」

 

墓まで持っていきたくなるその苦しみには

実は、人を救う力があったんだ。

 

#フォーチュンギフト

#墓まで持ってく