
一人旅をしているとき、大切なのは運だと思う。今日はそんな運に助けられた話。バックパッカーの旅に出てひと月半、カンボジアのプノンペンに降り立った。プノンペンの空港からは、バイタクで移動する。声かけてきた兄ちゃんのバイクの後ろにまたがって、観光地を経由しつつホテルまで送ってもらう。もっと観光に連れてってあげるよとか、銃を撃ってみないかとか、のお誘いは断って、さようなら。
ホテルに荷物を置いたら少し街中を観光した。市場へ行ったり、街が一望できる丘に登ったりした。そして日が少し傾いて来た。
まだ内戦の跡が残り
経済も疲弊している。
治安は良くない。
特に日没後は出歩かないように
注意されていた。
日のあるうちに帰ろう。
そうやって広場へ戻った時
大変なことが起こった。
戻り方がわからない。
そんな遠くへ来たわけではないが。
同じような石造りの建物で
どこを曲がったんだっけ?
ホテルの名前も忘れたし
地図に印もつけてこなかった。
不覚!
まずい!!
迷った!!
日は落ちて来た。
人通りは徐々に少なくなってきた。
直感でわかる。
ここは危険だ。
どうしよう、どうしよう。
歩き回ってるとき
ふとバイクが目にとまった。
あれ?
このバイクは。。。
さっき乗せてくれた人のバイクだ!
間違いない。
このメーターのガラスにある傷。
後ろに乗りながら見た。
覚えてる。
僕はその場で何十分か待った。
そしたらやはりさっきの兄ちゃんが来た。
「さっきのホテルへ連れてってくれ」
そうして無事にホテルへ
帰ることが出来た。
プノンペンはバイクだらけ。
僕のウロウロしたあたりには
何百台、何千台というバイクが
とめてあった。
その中の、たった一台。
僕を連れてってくれたバイクに
出会う確率はどれくらいだろう?
あのとき出会わなければ
どうなっていたろう。
見知らぬ異国の地で
出会えた偶然。
この強運が、
僕の旅を無事に過ごさせてくれた。
#フォーチュンギフト
