

フランスに語学留学してたとき、休日にニームという町に訪れた。南仏の歴史ある町だ。一通り町の観光地を巡って、町の中を歩いてたら、道に迷ってしまった。入り組んだエリアに踏み入れてしまったらしい。どこを歩いても同じような石造の建物が複雑につながっている。
ここどこだろう?
曲がっても曲がっても、また曲がり角。
同じような景色。
せめて広場や大きい通りに出られれば。
ちょっと不安になってきた。
知らない町で、道がわからない。
何度か道を曲がったとき
一つの落書きが
目に飛び込んできた。
懐かしさを覚える絵。
それは
日本のアニメのものだった。
石の壁に
そこだけ世界が違うような
抒情的な落書き。
その絵の感じが
今の僕の不安と対照的で
氣持ちが中和された。
異国の地で一人
不安になって、焦っている時
ふいに故郷の絵に出会う。
あの感動は
今も心に焼き付いている。
(ちなみにその絵は
銀河鉄道999のメーテルだとずっと思ってたが
今回見直したら
新竹取物語1000年女王の雪野弥生だった。)
#フォーチュンギフト