【虹のふもと】116

4歳くらいのころだったか。

虹が地面にくっついているところは
どんなふうになってるんだろう?

氣になって氣になって
虹が出る度に、お父さんに言って
車を出してもらった。

「虹の下に連れてって!」

でも何度追いかけても
虹は逃げて行く。

そしていつもたどり着く前に消えてしまった。


あの頃の無邪気な心は大切にしておくとして

今は、別な楽しみ方を知っている。

それは、
この場所から眺める。ということ。

その下に行かなければ
すごい景色を見られない!

そんな思い込みを外して、
一呼吸置こう。

今、この場所から
虹を眺める。

追いかけることだけに
フォーカスし過ぎると
ちゃんと見ないうちに消えてしまう。

虹は、目の前に広がっている。
今、この場所から
眺める虹こそが、美しい。