223【宿る想い】

日常の中にあるもの。それらはいつか、誰かによって生み出されたもの。どんなきっかけが、どんな想いが、どんなドラマがあったのだろう?そこに意識を向けると、世界が変わって見えてくる。

例えばガラス。
日常のあらゆるところにある。
こんな透明な物質が出来たとき、
人はどれだけ感動したのだろう?

氷のように溶けたりしないで、
水晶や、琥珀のように
色が入っていない。

無色透明のガラスが出来るまで
どれだけの努力を重ねたのだろう?


またあるとき、
レストランで出されたお皿に
ちょっとした模様があった。

量産品だから、費用はかけられない。
でもなんの模様もないのは寂しい。

このお皿をデザインした人は
限られた費用の中で
ちょっとだけ高級感を出せるように
このデザインを考えたんだろう。
誰が使ってるところを想像したのかな?
デザインを考えてる時
どんな氣持ちだったんだろう?


この絨毯。
繊維から絨毯を作る技術って
どれだけの歴史を重ねてきたんだ。
糸の生産、加工、機械化に
いたる歴史の賜物だ。

そして
この色を出せるようになるまで
一体どれほどの人たちが
岩から顔料を削り
花を潰して色を取り
化学が発達してからは色を作り出し。

もっと鮮やかに!
もっと美しく!
職人たちが
氣の遠くなるような歳月と
試行錯誤をして作り出してきた。


この道も
あの店も
この服も
あのビルも
この商品も
あの食べ物も
この音色も
あの色も
このサービスも
あの仕組みも

それを、作った人の想い
それを育ててきた人の想い
それを受け継いできた人の想い

毎日、同じ道を歩いても
そこに目を凝らすと
世界は、想いに溢れているんだ。