【一人朝礼】146

僕は昔から映画や、本、漫画に出て来た氣に入った言葉をメモ帳に書き留めていた。そして、それを朝唱えていた。初めて入った会社で、少し早めに出社して、屋上に上がる。そこでメモ帳を見ながら書いてある言葉を順番に声に出していった。たくさん言葉が増えていって、いつしか10分くらいかかるようになった。
やがて会社の人も真似するようになった。

アファーメーションという
言葉も知らなかったが

今思うと、
あの一人朝礼がずいぶんと
自分の身体にいい言葉を
染み込ませてくれたと思う。

あれはよかったな。
またこれからやろうかな。

1人ではなかなか続かない。

誰か、時間を決めて、
朝礼をやらないかな。

集まれなくていい。
電話とか、ラインで
言葉を発しよう。

【もっともっと】145

3年前アンソニー・ロビンズの講演会に行ったときのこと。アンソニーが、あなたはなぜ来たのかと、VIP席の人たちへ質問をしていた。スクリーンに映し出されたある女性は、顔が自信に満ち溢れていた。美容にも健康にもお金をかけて来たんだなっていう若々しさがあった。100万円の席に座ってたと思うから、経済的にも成功してるんだろう。成し遂げてきた人の顔をしていた。
その人の答えが素晴らしかったんだ。
「私は、お金も、仕事も、全てを手に入れて来た。でも、私はもっと出来る!もっと上に行ける!そう思って今日来たの!」

なんという人だ!

僕は尊敬した。
全てを手に入れたら、
そこで安泰してしまうところを
もっと行ける!と。

セルフイメージの高さと
飽くなき成長欲求。

その一言に僕は学んだ。

最高のものが出来ても
そこに収まらない。

もっと!
もっと!

進み続けることで、人は
無限に可能性を開けるんだ。

【簡単なことの積み重ね】144

学生時代、拳法の大会を取り仕切っていた。2ヶ月くらい前からエントリーやらパンフレットの作成を始めて、更正、準備、備品調達、会場設営、そして当日の進行。全国大会などは、全国から50校300人くらいが参加する、一大イベントだ。

それを滞りなく行うのは
誰にでも出来ることじゃない。

と、思われるかもしれない。

ところが、
やってた俺からすると
そんなことはない。

何百人の規模の大会を
滞りなく運営する。

確かにこれだけ聞いたら
難しいように聞こえる。


けど実際、やることはシンプルだ。

書類を集める。
在庫があるか確認する。
足りない分を買ってくる。
備品を運ぶ。
FAXや電話をする。

大会を運営するにあたって
一個一個のことは
とても小さなこと
とても簡単なこと。

それが積み重なって
大きな大会が作られる。

大きなものだけ見て
出来ないから
無理だと思わなくていい。

簡単なことの積み重ねで
大きな結果を生み出すことが
出来るんだ。

【10秒子育て】143

子どもは宝。世界中の全ての子どもは愛される存在だ。その子どもたちを育むことが、先に生まれた僕らの幸せだと思う。何年も前、電車の中の広告で素敵な標語を見つけた。
「10秒子育て」
電車の中で目があった子どもや、ホームで隣になった子ども。その子たちに、10秒でいいから子育てしてみよう、というのだ。
ちょっと話しかけてあげる。
ちょっと遊んであげる。
笑いかけるだけでもいい。

ほんの10秒。
行き交う人たちが
子どもたちに愛を注ぐ。
そんな社会が育まれたら素敵だよね。

未来を、子どもたちを、
育てていこう。

【ヒッチハイク】142

学生のころ、ヒッチハイクで旅をした。神奈川県から山形県まで、11台乗り継いで、25時間で到着した。最初はどうやったらいいかわからなかったけど、何台も乗ってるとコツがわかってくる。うまく行くと5分くらいで簡単につかまる。けれど、どうしても捕まらないときもあった。車はビュンビュン通るのに、1時間待っても1台も止まってくれなかった。

でも、感じたことは、
指を上げ続けていれば、
必ず止まる。

100台止まらなくても、
次は1000台やればいい、
1000台止まらなくても、
次は10000台やればいい。

必ず止まってくれる人はいる。
そのたった1台を
見つけられればいいんだ。

今やっていることが
なかなかうまくいかなくても

やり続けたらいつか必ず
あなたを乗せてくれる人が
現れるんだ。

【居心地の悪さ】141

昔ある子が、僕に相談してきた。「ここは居心地が悪い」と。その周りには、自分らより成功していて、エネルギーが高い人ばかりだった。僕は、その子はそこにいることが正解だと思った。

居心地のよい空間というのは、自分と同じ波長の人がいる場所だ。
ある意味成長し辛い環境ではある。

自分が緊張してしまう人、何を話したらいいのかわからない人。
そんな場所は自分が成長出来る場所なんだ。

居心地が悪い。
なら今そこにいることは
正解なんだ。

【ヒンディー語】140

言語を覚えるのに、一番必要なものはなんだろう?僕は自分の体験を通してそれを学んだ。それは、バックパッカーの旅の最後に行き着いたインドでのこと。僕はガイドブックも持たずに街を渡り歩いていた。当時はスマホもない。田舎に行ったら、英語が通じない。言葉がわからないと、命に関わる恐怖にぶち当たっていた。だから、必死だった。

必要に迫られてヒンディー語を覚えた。

そしたら、2週間で
電車のアナウンスが
聞こえるようになった。

「10時20分に、5番線に到着予定の
ムンバイ行きの電車は
12時30分に3番線に変更です。」

その言葉がわかったとき
我が耳を疑った。

んん!?
今英語じゃないよな!
ヒンディー語のアナウンスだったよな!

聞こえた!
聞こえたぞー!

現地に行って、追い込まれたら
ものすごいスピードで学習する。

覚える理由があるから
覚えるんだ。

言語は必要性が習得させる。

【水のおかわり】139

「お願いしまーす、お冷くださーい」
喫茶店で、お水のおかわりを頼むと、当然入れてくれる。当たり前のこと。そこになんの感情も持ってなかった。何年か前、ある人とお茶してたときのこと。その人は「ありがとうございます」って店員さんに頭下げてを言っていた。
それが、とても素敵に映った。

それから、僕も言うようにした。

そしたら、店員さんと
コミュニケーションを
とるようになった。

そして、店員さんを
もっとよく見るようになった。

水のお代わりを注いでくれる。

たったそれだけの行為に
すごく心地よさをもたらして
くれる人がいる。

こんなサービスを与えてくれたのに
見てなかったな。

僕はそれから
もっとコミュニケーションを
とるようになった。

とても爽やかに
お水を入れてくれる人には
名札を見て
「○○さん、ありがとう」

笑顔で注文を取ってくれる人には

「○○さん、あなたが最初に
すごく笑顔で注文を取ってくれたから
とてもいい氣分でいられて
有意義な時間を過ごせたよ。」

帰り際、伝えてから店を出る。

お水を入れてくれて
「ありがとう。」

その一言から
取りこぼしていた
たくさんのサービスを
受けとれるようになったんだ。

【ことえのうどん】138

戦後まもなく生み出された壺井栄氏の小説『二十四の瞳』という素晴らしい名作。その中のある一文が、僕の中に残った。
「空腹はキツネうどんの味を数倍にしてコトエの舌にやきついていた。」
僕はこの一文に心を奪われた。こんなに美しい表現で美味しさを表すことが出来るんだ。

そして、僕は小説の中身とは全く違う
氣づきをその文から感じたんだ。

どんなに美味しい料理を作ろうとしても、
味を二倍にすることは難しい。
でも、空腹なら何倍にもしてくれる。

料理に目を向けずに
空腹に目を向ける。

求めるものは
それを突き詰めて昇華するより

違う視点で、
違う道から手を伸ばすことで
ときに簡単に
辿り着くことが出来るんだ。

ただ一文での完成された美しさと
深い氣づき。

心に残るこんな文章を
僕も生み出していこう。

【西岡常一】137

宮大工、という職業を知っているだろうか?
神社仏閣を専門に造る大工さんのことだ。最後の宮大工と言われた西岡常一さん。中学のときに彼の本『木に学べ』を読んだ。素晴らしい本だった。西岡常一さんのエピソードで忘れられないことが一つある。

彼は薬師寺の西塔を再建した。
完成した西塔は1300年前からある東塔より少し高かった。

当然
「西塔と東塔で高さが違うじゃないか!」
という指摘が飛んだ。

それに対し西岡常一さんは
「500年くらい経ったら沈むんですわ」
そんなふうに答えてたのを
聞いたことがある。

そんなに大きく、長い視点で
物事を観れるってすごいと思った。

生涯を木と向き合ってきたからだろう。

今すぐに結果が出なくても、
長い視点で
時には木の視点で、物事を観よう。