334【日食グラス】

2012年5月、日本で金環日食を観測することができて、盛り上がった。太陽を直接見ると目を痛めるので、日食グラスが売られていた。僕も仕事で、それを仕入れてネットで売っていた。日食が近づくにつれ、どんどん売れていって、やがて確保した在庫はなくなった。直前になるとだんだん値段も高騰していって、もっとたくさん仕入れておけば高値で売れたのに。と残念がったのを覚えている。

だけど、お父さんは違った。

お父さんは天体とかが好きで、

そのとき東京のほうがよく見えるからと

札幌からわざわざ

そのためだけに見にきた。

そのとき、

手作りの日食グラスを持ってきた。

紙で作ったフレームに

遮光フィルムを入れ込んだ

単純なものだけど

日食を見るには十分だ。

お父さんはこれを

中学校の授業で

生徒と一緒に作ったという。

子どもたちが

天体ショーを見る貴重な機会を

与えるために。

そして、その生徒たちの分だけでなく

1200個くらい作って

近隣の小中学校に無料で配ってたんだ。

僕は今回のことでは

自分の利益のことしか

考えてなかったのに。

その横で

お父さんは、

子どもたちがこの金環日食を

楽しめるようにと

それだけを考えて

手作りの日食グラスを作って

配ってたんだ。

偉大に思った。

#フォーチュンギフト

333【ケプラーの法則】

1609年、天文学者のヨハネス・ケプラーはのちにケプラーの法則と呼ばれる天体法則を発表した。膨大な資料と長年の研究により導き出した結論は、惑星の軌道は「完全な円」ではなく「楕円軌道」になることや、場所によって「進む速度が異なる」ことだった。それは、1400年間にわたって信じられてきた常識を覆えすものだった。

なぜならキリスト教社会の中では

天は神が住む場所であり、

そこは完全な世界と考えられていた。

惑星の軌道は

完全なる円だと信じられていたのだ。

そして、同じ年、

ガリレオ・ガリレイが

天文学の歴史に名を刻む。

実用的な望遠鏡を開発したのだ。

望遠鏡は、

遥か彼方の真実を映しだす目。

その後の天文学に

革命的な跳躍をもたらした。

ん?

おや??

ちょっと待って。

同じ年だと? 

そう、 

そうなのだ。

ケプラーが法則を発表した年と、

ガリレオが望遠鏡を開発したのは同じ年。

つまり、

ケプラーの研究は

望遠鏡のない時代、

肉眼での観測によるものなんだ。

一体誰が、

氣づくことが出来る?

肉眼で空を見上げて

あれ?

金星とか火星の軌道って

完全な円じゃなくね?

あれ?

木製とか土星って

進む速度一定じゃなくない?

誰が氣づく!?

今地球が太陽の周りを回ってるって

知ってるから見える世界。

当時は異端で殺される危険すらある考え方。

常識を否定し

思考を飛躍しなければ

出来ない発想の上に

地道な観測と緻密な計算。

導き出した真実は

研究の賜物とかいう

生優しい言葉では表現できない。

真実への

執念!

覚悟!

狂おしいほどの情熱!

まさに狂氣とすら呼べるものだろう。

この尊敬すべき狂氣が

人類に進歩をもたらしたんだ。

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332【異国の落書き】

フランスに語学留学してたとき、休日にニームという町に訪れた。南仏の歴史ある町だ。一通り町の観光地を巡って、町の中を歩いてたら、道に迷ってしまった。入り組んだエリアに踏み入れてしまったらしい。どこを歩いても同じような石造の建物が複雑につながっている。

ここどこだろう?

曲がっても曲がっても、また曲がり角。

同じような景色。

せめて広場や大きい通りに出られれば。

ちょっと不安になってきた。

知らない町で、道がわからない。

何度か道を曲がったとき

一つの落書きが

目に飛び込んできた。

懐かしさを覚える絵。

それは

日本のアニメのものだった。

石の壁に

そこだけ世界が違うような

抒情的な落書き。

その絵の感じが

今の僕の不安と対照的で

氣持ちが中和された。

異国の地で一人

不安になって、焦っている時

ふいに故郷の絵に出会う。

あの感動は

今も心に焼き付いている。

(ちなみにその絵は

銀河鉄道999のメーテルだとずっと思ってたが

今回見直したら

新竹取物語1000年女王の雪野弥生だった。)

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331【あなたの言葉】

メンタルプロコースの仲間のかいくんが、講座をやってみたい人が仲間内で挑戦出来る講座チャレンジという企画をしてくれた。僕は第一回に喜んで参加した。挑戦するのは、衛藤先生の講座。YouTubeに上がった動画を一言一句コピーをして話した。みんなじっと聴いてくれて、終わってみんなからの感想を言ってくれた。

いろんな感想の中で

そのさんから、意外なことを言われた。

「タティーの言葉が聞きたいな」

なぜこれが意外だったか。

僕はそのとき

講座にチャレンジはするけど

自分が話すことなど何もないと思ってた。

だから衛藤先生の話をコピーしたんだ。

自分の尊敬する

衛藤先生の話した話を

一生懸命に覚えて喋った。

なのに、

僕の言葉が聴きたい?

衛藤先生のじゃなくて!?

これは衝撃的で、

そしてその後の講座のきっかけとなった。

自分の言葉を

あなたの言葉を話そう。

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330【部費の上げ方】

大学時代、大学から支給される部活運営費を15万円UPすることに成功した。運営費は重要だ。この予算があれば、大会参加費用を自腹で負担しなくていいし、新しい防具も買える。僕が部活の主務兼会計をやるようになったのは2年生になったときだ。本当は4年生がやる役割だったけど、上の先輩が辞めてしまったことにより引き継ぐことにった。いや、急きょ辞めてしまって引き継ぎもなかった。

前年の繰越金もないし、

報告の仕方もわからない。

困って体育会連合に相談に行った。

そしたら、

そんなのそっちの都合だから知らない。

ちゃんと出来なかったら部費半分にするよ!

と言われてしまった。

えー!ヤバい!

と思いながらも、そのとき

一つのことを掴んだ。

各部の部費を決めてるのは

大学職員じゃない。

体育会連合会をやってる同じ学生だ!

ならば、行ける!と思った。

僕はまず

顔を覚えてもらうことから始めた。

体育会連合の部屋のドアには

ポストがあり、

提出物はそこに出せばよかった。

でもそこには出さず

必ず毎回ノックをして部屋に入る。

そうやって書類出す度に

会話をして顔を覚えてもらった。

そして仲良くなって

他の部がどんな会計の

出し方をしてるをさりげなく見る。

見やすいもの、見にくいもの

テキトーなのなど色んな会計がある。

会計を見るのはその道のプロじゃない。

学生だ。だったら数字だけじゃなく

印象の良さが左右するんじゃないか。

僕は購買で売ってる

150円の会計帳簿を買わず

外の文具店で1500円の立派な

会計帳簿を買ってきて

それに書いていった。

領収書を丁寧に貼り、

番号を振って

どの会計と連動してるか指し示す。

社会人なら当たり前かもしれないことも

学生の中でなら目に留まる。

過去の先輩の帳簿を見つけて

参考にしたり、

卒業した先輩に来てもらって

助けてもらったり。

なんでも活用した。

他の部を見て氣づいたのは

支給された部費の使い方しか

書いてないとこが多い。

合宿費用や大会参加費など

個人が負担する費用も全部書くようにした。

毎年こんなにお金がかかるのに

体育会からの活動費では足りないよ!

というアピールを数字に乗せた。

体育会全体の支給額は

そんなに変わらないだろうが

年に1つか2つの部が

やらかして部費を

下げられてることがわかった。

その分の振り分けが来るように

とにかく印象を作った。

そうしたことをしていたら

順調に部費が増えていって

大会参加費を部員から払わせずに

すむようになった。

助けを借り

相手を知り

情報を集めて

見せ方を工夫する。

やれることなんでもやっていけば

結果はついてくるんだ。

#フォーチュンギフト

329【言葉通り】

「たまにはご飯一緒に食べようよ。」彼女からのメッセージ。最近中々会えてないなかったら、なんとか時間を空けてご飯に出かけた。料理が出てきて一緒に食べた。食べ終わると僕は、次の予定があったから、お金を置いて「じゃあ俺は行くわ。ゆっくりしてていいよ。」そういうと彼女は嘆いた。「なんでー!そうじゃないよー!」

え!?なんで嘆かれてるのか

わからなかった。

彼女

「一緒にご飯食べようって言ったじゃん!」

「いや、だから食べたじゃん」

「違うよー!ご飯食べようってのは

食べ終わった後少しゆっくりする

時間を一緒にいたり

話したいってことだよー!」

えー?

そんなの聞いてない・・・。

と思った。

でも今ならわかる!

これは僕が悪かった!

だけど、当時はね、

本当わかんなかった。

言葉通り捉えていた。

いや、言葉通りでもないか。

自分の解釈の通りに

その言葉を捉えていた。

相手の意図とか

相手の立場になって

何も考えてなかった。

江戸の言葉で言ったら

するってえと何かい?お前さん。

これがなかったんだねー。

人情が。思いやりが。

甘えだね。

まだまだ言葉通りに

自分の解釈で

受け取ってしまうことばかりだ。

相手を思いやる心。

相手に寄り添うことを

常日頃意識していこう。

合言葉は、

するってえと何かい?お前さん。

#フォーチュンギフト

328【二度目のチャンス】

「チャンスは一度きり」という話と「チャンスは何度でもある」という話。この二つは、矛盾しないと思っている。一生に一度だ!と思って取り組んだからこそ、二度目が来るんだと思う。次でやればいいや。またいつか。そう思っているところには、来ない。

一度きりのチャンスを

本氣で掴みにいっているところに

二度目が来る。

二度目を当てにして

一度目をおざなりにしていると

二度目は来ない。

世の中、

そういう法則になっていると

感じるんだ。

#フォーチュンギフト

327【チャンスは何度でも】

海洋冒険家、白石康次郎さんの講演が心に残っている。大記録を打ち立てる前、大きな失敗をしてしまった。航海に出たが準備不足もあり、船にトラブルが発生して途中で引き返すことになった。協力してくれた人やスポンサーにも大変申し訳ないことをした。しっかりと準備をして、再チャレンジした。しかし、一人で修復できない破損が起き再び断念。これから引き返すというときに、船の中で撮った、謝罪と無念の動画。慟哭が今も記憶に残っている。

丘に戻って、意気消沈して

無為な日々を過ごしていた。

諦めかけていた。

そのとき、

師匠がくれた言葉。

「こうちゃん、

生きていれば

何度でもチャンスはあるんだよ。」

その言葉に救われたという。

そうして、

再び立ち上がり

最年少単独無寄港世界一周を成し遂げた。

そうだ。

命がある。

命があるなら

何度でも

またチャンスは巡ってくるんだ。

#フォーチュンギフト

326【チャンスは一度】

昔師匠から言われた。「うまくいく奴は、(セミナーで)しゃべれるか?って聞かれて『はい、準備できてます』と答えられるやつだけや。聞くのは一度だけや。そのときにそう答えられなかったら終わりや。もう二度と頼むことはない。チャンスは一度きりや。チャンスの神様は前髪しかないんや。向こうから来た時パッと掴まえないと、後ろ頭はつるっぱげや。」

一度きり。

それを逃したらもう来ない。

これはすごく心に残った。

チャンスが来た時、

すぐに掴めるようにしておかないと!

今でもその緊張感を

どこかで持ち続けている。

この教えのおかげで

掴めたものがたくさんある。

#フォーチュンギフト

325【タイムトラベラー】

帰り道、もし今自分が、タイムトラベラーで、何百年も前から来たとしたらどんなふうに見えるだろう?そんな想像をして遊ぶ。

なんだ!?この地面は!全部黒いぞ。

高い!高い!どうなってんだこの建物は?城より高いぞ。道にあるこれは鉄か?いったいどんな職人がこんなきれいに加工しやがったんだ?

光ってる!

蝋燭も提灯もなしに光ってる!

なんだあの鉄のイノシシは!

馬より速い!人が乗ってる!

あんなの見たことない!

人は何着てるの?

どういう構造?何で出来てるの?

扉が自動で開いた!

色、音、香り

街のネオンも、ガラスも

横断歩道の音楽も、

ありとあらゆるものが衝撃だ。

きっと日記を書くとしたら

こんな感じだろう。

「遍く一切が摩訶不思議なり。

一刻たりとも驚嘆せざるということなし」

そうやって想像して歩いてるとね

日常目の前にあるものに

すごいな!と思う。

それは、

当たり前にあるものに感謝とか

そういう次元を通り越して

衝撃!感嘆!驚愕!

感動の嵐!

数百年前からしたら

今の世の中

魔法の世界だよ。

すごい世界に生きてる。

ただの平坦な帰り道が

まるでテーマパークに初めて来たような

興奮に変わるんだ。

#フォーチュンギフト